登別市の「硫黄」と「潮風」に蝕まれる給湯器。その故障、環境のせいかもしれません
登別市の皆様、はじめまして。この道27年、現場の最前線で錆びついたボルトや凍りついた配管と格闘し続けてきました、現場責任者の「織田」と申します。
日本有数の温泉地、登別。地獄谷から立ち昇る湯けむりは観光客にとっては風情ある景色ですが、私たち設備屋にとっては、まさに「見えない脅威」です。空気中に含まれる微量な硫化水素ガス(硫黄成分)と、太平洋から吹き付ける強力な潮風。この「ダブルパンチ」が、登別市の給湯器事情を極めて特殊なものにしています。
札幌や他の内陸部と同じ感覚で、「安ければ何でもいい」と標準仕様の給湯器を取り付けるとどうなるか。早ければ2年、長くても5年で筐体がボロボロに錆び、内部の銅配管が腐食して水漏れを起こします。私はこれまで、そんな「土地に殺された給湯器」を何台も交換してきました。そのたびに、お客様の「まさかこんなに早く壊れるなんて」という悲痛な声を聞いてきました。
これからお話しするのは、メーカーのカタログや、SEO対策で量産された一般的なまとめサイトには決して書かれていない、「登別市の過酷な環境で給湯器を10年持たせるための真実」です。不都合な真実も包み隠さずお伝えします。お客様の大切な資産を守るため、少し長くなりますが、どうか最後までお付き合いください。
【緊急警告】登別特有の「腐食」リスク。標準機を選んではいけないエリアとは?
一般的な選び方:価格と機能重視
給湯器を選ぶ際、多くの方が重視するのは「価格」と「機能(フルオートかオートか)」、そして「省エネ性能(エコジョーズ)」です。チラシやネット検索で「地域最安値!」と書かれた商品を見つければ、それに飛びつくのは消費者として当然の心理でしょう。
メーカーのカタログにも、寒冷地仕様の記述はあっても、地域ごとの空気質(腐食性ガス)に関する詳細な警告は、裏面の小さな文字で書かれている程度です。そのため、多くのリフォーム業者や家電量販店のスタッフも、登別の特殊性を考慮せず、札幌と同じ標準商品を提案してしまいます。
【現場の真実】温泉街だけじゃない!「見えない硫黄」が基盤を腐らせる
しかし、登別市においてその選び方は致命的です。現場を知り尽くした私から言わせれば、登別には「標準機をつけてはいけないエリア」が存在します。
登別温泉町や中登別町周辺はもちろんですが、実はそこから少し離れたエリアでも、風向きによっては硫化水素の影響を受けます。硫黄成分は、金属、特に給湯器内部の電子基盤に使われている銅や銀を黒く変色させ、腐食させます。これを「硫化腐食」と呼びます。
ある日突然、電源が入らなくなる。リモコンが効かなくなる。開けてみると、基盤が真っ黒に錆びている。これが典型的な症状です。
「じゃあ、どうすればいいの?」
答えは「耐重塩害・耐腐食塗装」が施された特殊仕様の給湯器を選ぶことです。しかし、ここにも大きな問題があります。それは「納期」です。
メーカーの特殊塗装品は、基本的に完全受注生産です。発注から納品まで、通常でも1ヶ月、冬の繁忙期なら2〜3ヶ月かかります。真冬にお湯が出なくて困っているのに、3ヶ月も待てますか?待てませんよね。だから泣く泣く、寿命が短いと知りつつ標準機をつけるしかない…これが業界の悪しき常識でした。
私は、このジレンマを打破するために、独自の「裏技」施工を行っています。
1. まずは「標準機」で即日復旧
在庫のある標準仕様の給湯器を設置し、その日のうちにお湯を使えるようにします。これでお客様の生活は守られます。
2. 特殊カバーの「後日着せ替え」
同時に、メーカーに「耐塩害・耐腐食仕様の外装カバー(側板・前板)」だけを発注します。そして1ヶ月後、カバーが届いたら、中身(エンジン部分)はそのままで、外側の服だけを着せ替えるのです。
3. 基盤のコーティング強化
さらに念を入れる場合、内部の電子基盤に、絶縁性の高い防湿コーティングスプレーを追加塗布します。これはメーカー保証の範囲内で行えるギリギリのラインを見極めた、プロの処置です。
また、幌別や鷲別といった海沿いのエリアでは、強烈な潮風による「塩害」がメインになります。ここでは、本体の塗装だけでなく、配管カバーや据置台の防錆処理が必須です。鉄製の部品はあっという間に朽ち果てますから、ステンレス製の部材に変更するなどの提案も行います。
「安く交換しました」と喜んでいても、3年後に腐食して買い替えになれば、トータルコストは倍以上です。登別の環境を知り尽くした私たちだからこそできる、10年先を見据えた提案にご期待ください。

【冬のトラブル】「故障」と「凍結」を見極めろ!登別の風が招く誤診
一般的なトラブル対処:エラーコード確認と交換推奨
冬の朝、お湯が出なくなった時、まず確認するのはエラーコードです。「111(点火不良)」や「290(中和器異常)」などが出た場合、不具合が発生していることは間違いありません。 多くの業者は、設置年数を確認し、10年近ければ「寿命です、交換しましょう」と提案します。特に冬場は修理部品の供給も遅れがちなため、交換が最も確実で早い解決策であることは否定できません。
【現場の真実】太平洋からの強風が、ヒーターの熱を奪い去る!
しかし、登別市の冬において、安易な交換判断は禁物です。現場での実感として、厳冬期のトラブルの約6割は、「機械の故障」ではなく「配管の凍結」です。
登別は、オロフレ峠からの吹き下ろしと、太平洋からの湿った海風が交差する、風の強い地域です。気温がマイナス5度程度でも、風速が10mあれば、配管が受ける冷却効果(ウィンドチル)はマイナス15度〜20度相当になります。
この「風」の恐ろしさを知らない業者が施工するとどうなるか。
凍結防止ヒーターを巻いていても、その上から巻く保温材が薄かったり、隙間があったりすると、強風がその隙間に入り込み、ヒーターの熱を奪い去ってしまいます。結果、ヒーターがついているのに凍るという現象が起きます。
先日も美園町のお客様から「お湯が出ない、他社には交換と言われた」とSOSをいただきました。駆けつけると、給水管のバルブ付近の保温材が劣化して剥がれ落ち、そこがピンポイントで凍結していました。給湯器本体は無傷でした。
私は業務用のヒーターで解凍し、剥がれた保温材を、寒冷地用の高密度なものに巻き直しました。費用は数千円。もし他社の言う通りに交換していたら、20万円の出費でした。
「凍結なら、解かせば動く。交換する必要はない」
これが鉄則です。メーカーや保証会社は、凍結を故障とは認めず、対応してくれません。だからこそ、私たちのような地元のプロが必要なのです。
もしお湯が出なくなったら、まずは慌てずに以下のことを試してください。
1. リモコンの電源を入れ直してみる。
2. 気温が上がる昼頃まで待ってみる。
3. 配管にタオルを巻き、ぬるま湯(熱湯は厳禁!)をかける。
それでもダメなら、私たちにご連絡ください。電話での問診だけで「それは凍結の可能性が高いですね」と判断できることも多いです。無駄な交換工事はさせません。
もちろん、凍結によって配管が破裂してしまった場合は、緊急の交換や補修が必要です。その場合も、在庫さえあれば即日で対応します。私たちは、登別市民のライフラインを守る「最後の砦」としての自負を持っています。
【施工品質の差】「見えない場所」のコーキングが、家の寿命を左右する
一般的な業者選び:ネット比較とスピード重視
今はネットで簡単に給湯器交換業者を探せる時代です。「登別 給湯器交換」と検索すれば、全国対応のネット業者や、地元のリフォーム店がたくさん出てきます。価格比較サイトで最安値を探し、口コミが良いところに頼む。これは非常に合理的で賢い方法に見えます。
しかし、その口コミが「工事から3年後、5年後」に書かれたものでない限り、本当の品質は分かりません。工事直後の「対応が良かった」「安かった」という評価は、耐久性とは無関係だからです。
【現場の真実】壁に穴を開けるということの「責任」
27年間、現場でビスを打ち続けてきた私が断言します。「工事の質は、細部の防水処理(コーキング)に宿ります」。
壁掛け式の給湯器を交換する際、必ず外壁にビスを打ち込みます。また、リモコンの配線を室内引き込むための貫通穴も開いています。
登別の強烈な横殴りの雨や、湿った雪。これらは、わずかな隙間から容赦なく壁の内部に侵入します。激安業者や経験の浅い職人は、古い給湯器を外して、新しい給湯器をそのままポンと取り付け、既存のビス穴をそのまま再利用したり、ひどい場合は穴埋めもせずに放置したりします。
その結果、何が起きるか。
数年かけて雨水が壁の内部に浸透し、断熱材をカビさせ、柱を腐らせます。ある日、給湯器がグラグラしていることに気づいた時には、外壁の下地が腐ってボロボロになっており、給湯器を支えきれなくなっているのです。これは決して脅しではありません。実際に私が修理に行った現場で何度も目撃した光景です。
私の施工は、ここが違います。
1. 既存ビス穴の完全防水処理
古い給湯器を外した後、不要になったビス穴は必ず変成シリコンで充填し、防水処理を施します。
2. 新規ビスへのコーキング抱き合わせ
新しいビスを打つ際も、ビスの首元にコーキング材を巻きつけてから打ち込みます。これにより、ビス穴の内部でコーキングが広がり、完全な止水層を作ります。
3. 配管引き込み口のパテ埋め強化
配管カバーの中だからと手を抜きがちな、配管の引き込み口。ここもネズミや虫の侵入経路になり、かつ隙間風の入り口になります。私はここを隙間なくパテとコーキングで埋め尽くします。
「そこまでやるから、他社より作業時間が30分長いですし、費用も数千円高いかもしれません」。
しかし、その手間が、お客様の大切な家を10年、20年と守るのです。給湯器は交換すれば新品になりますが、腐った家の壁は簡単には直せません。
「断らない」というのも私の信条です。他社が「設置場所が高すぎる」「狭くて作業できない」と逃げ出した現場でも、私は絶対に諦めません。登別のお客様が困っているなら、どんな手を使ってでもお湯が出るようにします。それが、職人としての意地です。

お問い合わせから工事完了までの流れ

ご依頼から工事完了まで、お客様の不安を一つひとつ解消しながら、迅速に進めさせていただきます。
STEP 1:お問い合わせ・ヒアリング
まずはお電話、または下記フォームよりご連絡ください。「お湯が出ない」「異音がする」といった現在の状況と、お住まいの地域(登別温泉町、鷲別町など)をお知らせください。地域によって腐食のリスクが異なるため、詳しい住所は重要です。LINEで給湯器の写真(品番シールや設置状況)を送っていただければ、現地調査なしで正確な見積もりが可能な場合もあります。
STEP 2:現地調査・プランご提案
原則として現地調査に伺います。設置場所の寸法、配管の状態、そして周囲の環境(硫黄の臭いがするか、海が見えるかなど)をプロの目で確認します。ここで、先ほどお話しした「耐塩害仕様」が必要か、標準機でカバー対応が可能か、などを含めた最適なプランをご提案します。
STEP 3:施工・試運転
ご納得いただけましたら、工事日程を決定し、施工に入ります。在庫がある商品は即日工事も可能です。工事時間は通常3〜4時間程度。古い給湯器の撤去、新規設置、配管接続、そしてこだわりの防水・保温工事まで、一切の手抜きなく行います。最後にガス漏れ検査と試運転を行い、お客様と一緒にお湯が出ることを確認して完了です。
STEP 4:アフターフォロー
工事が終わってからが、本当のお付き合いです。万が一のトラブルや、使い方が分からない場合など、いつでもご連絡ください。また、温泉ガスによる腐食の進行具合の点検なども、お気軽にご相談ください。
登別市支部 拠点一覧
【本店所在地】 〒061-2271 千歳市千歳市南区藤野541-3番地
【道央所在地】 〒061-1153 登別市登別市富ヶ岡234
【道南所在地】 〒041-0834 登別市函館市東山町197-112
お問い合わせ(24時間365日)
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よくあるご質問(FAQ)
- Q. 登別温泉の近くに住んでいますが、給湯器はどのくらい持ちますか?
- A. 設置環境によりますが、標準仕様の給湯器の場合、強い硫黄臭がするエリアでは2〜3年で故障することもあります。耐腐食塗装を施した機種や、屋内に設置するタイプを選ぶことで、寿命を延ばすことが可能です。現地調査にて、最適な機種をご提案いたします。
- Q. 耐塩害仕様の給湯器は、値段が高くなりますか?
- A. はい、標準仕様に比べてメーカー希望小売価格で1〜3万円程度高くなることが一般的です。また、受注生産のため納期もかかります。しかし、数年で買い替えるリスクを考えれば、トータルコストは安くなります。予算に合わせて、塗装カバーのみの交換など、柔軟なプランをご提示します。
- Q. 工事費込みの総額を知りたいのですが、見積もり後の追加料金はありますか?
- A. 原則として、お見積もり提示後の追加料金は発生いたしません。ただし、工事中に壁内部の深刻な腐食や、配管の破損など、事前に確認できない重大な問題が見つかった場合は、必ずお客様にご相談し、ご了承をいただいた上で対応いたします。勝手に工事を進めて請求することは絶対にありません。
- Q. 支払い方法について教えてください。
- A. 現金、銀行振込のほか、各種クレジットカード決済、リフォームローンにも対応しております。急な故障で持ち合わせがない場合でも、無理なくお支払いいただける方法をご案内いたします。


