その油断が、工事当日の「追加費用トラブル」を招きます。
【記事監修・執筆】大塚(生活案内所 給湯器担当)
「お客様は神様」ではなく「対等なパートナー」であるべきと説く、業界の論客。
コールセンターのようなマニュアル対応を排除し、電話一本で解決策を即決するスタイルを貫く。今回は、お客様自身が「損をしない」ために知っておくべき、電話での伝え方と見積もりの見方を徹底解説します。

給湯器交換のトラブルで最も多いのが、工事当日の「言った言わない」です。
「コミコミって言ったのに、なんで追加料金がかかるんだ!」
「電話では何も言われなかったのに、工事できないと言われた!」
こうした悲劇が起きる原因は、業者の説明不足ももちろんありますが、実はお客様自身の「伝え方」と「思い込み」にも一因があります。
私たちは、電話口に「コールセンターのオペレーター」を置きません。すべて現場を知るプロが対応します。なぜなら、たらい回しにせず、そのお電話一本であなたの悩みを解決したいからです。
だからこそ、私たちも真剣勝負でお話しします。
今回は、あなたがプロと対等に話し、最短・最安で、しかもトラブルなく工事を終えるための「電話作法」と「見積もりの裏読み術」をお伝えします。
少し厳しいことも言いますが、すべてはあなたが損をしないためです。
電話口のプロを見抜く。「型番」を即答できる客 vs できない客への対応術
- 「給湯器って何?」から始まるお客様には、小学生でもわかる言葉で導く。
- 型番を即答するお客様には、余計な説明を省いて「即決価格」を出す。
- あなたの知識レベルに合わせて「喋り方」を変えるのが本物のプロ。
「家の裏にある給湯器を見てきて」と言ってくれる業者を選べ
「お湯が出ない」とお電話をいただくお客様の中には、「給湯器」という言葉自体を知らない方もいらっしゃいます。
「給湯器って湯沸かし器のこと?」「どこにあるの?」
これは恥ずかしいことではありません。人生で何度も交換するものではないからです。
ダメな業者は、ここで専門用語を並べてマウントを取ります。しかし、私たちプロは瞬時にお客様の知識レベルを察知し、ギアを切り替えます。
「お家の裏側に、お風呂を沸かしている箱みたいな機械がありませんか? 今からちょっと見てきてもらえますか?」
小学生でもわかる言葉で誘導し、それが「交換」すべき状態なのか、「修理」で直るのか、あるいは「ガス会社」を呼ぶべき案件なのかを導き出します。
もしあなたが知識に自信がないなら、無理に知ったかぶりをせず「全くわかりません」と伝えてください。
そう言われた瞬間、私たちは「一番丁寧なモード」で、あなたをお風呂までエスコートします。
型番を即答する人には「まどろっこしい説明」は不要
逆に、「今はGT-2050SAWXを使っています」と型番を即答されるお客様もいます。
この場合、私たちはいちいち「給湯器とは…」なんて説明はしません。その時間が無駄だからです。
「それなら後継機はGT-2060SAWX-2ですね。在庫あります。工事費込みで〇〇円、最短で明日いけます」
このように、結論から即答します。
オペレーターがマニュアル通りにしか喋れない会社だと、知識あるお客様に対しても同じような定型文を読み上げ、イライラさせてしまいます。
電話に出た人間が、あなたの知識量に合わせて「説明の解像度」を変えているか。そこを見てください。
話が早い業者は、工事の手配も早いです。
「全てコミコミ」は魔法の言葉ではない。工事範囲の線引きを知る
- 「コミコミ」の範囲外にある「追加費用」の正体。
- 写真では見えない「断線」や「配管劣化」は、現場でしか分からない。
- 「どこまでやるか」を契約前に握れる人が、トラブルを回避する。
「どこまでやってくれるの?」を明確にするのがプロの責任
「お宅は全てコミコミですか?」とよく聞かれますが、私は安易に「はい」とは言いません。
なぜなら、「コミコミ」の定義がお客様と私たちでズレていると、後で必ず揉めるからです。
私たちが提示するパック料金に含まれるのは、通常以下の3点です。
- 給湯器本体の交換
- リモコンの交換
- 古い機器の処分
これ以外のこと、例えば「配管カバー」や「排気カバー」を新しくしたい場合は、当然ながら部品代がかかります。
また、私たちは安く提供するために、使える配管は基本的に「流用」します。
「配管も全部ピカピカの新品に変えてくれるんでしょ?」と思われていると、「話が違う」となってしまいます。
配管まで新品にしたいなら、それは「追加オプション」として喜んでお受けします。
「コミコミ」という言葉に逃げず、「ここまでは標準、ここからは追加」と最初に線引きをしてくれる業者こそが、誠実な業者です。

写真には写らない「リモコン線の断線」という時限爆弾
見積もりの段階でLINEなどで写真を送っていただきますが、写真だけでは見抜けないトラブルもあります。
一番多いのが「リモコン線の断線」です。
見た目は綺麗でも、壁の中でネズミに齧られていたり、経年劣化で線が切れていたりすることがあります。これは現地で外してみないと分かりません。
もし現地で断線が見つかった場合、私たちは正直に言います。
「線が切れています。これを直さないと動きませんので、補修費として〇〇円かかります(または、露出配線になります)」
これを「後出しジャンケンだ!」と怒る気持ちも分かりますが、私たちにも透視能力はありません。
だからこそ、電話の段階で「もし現場で想定外の不具合(断線など)があった場合は、追加費用がかかる可能性があります」と、嫌われる勇気を持って伝えておくのです。
この「不都合な可能性」を事前に示唆してくれるかどうかが、トラブル防止の分かれ道です。
「工事前のチェック」は誰のため? 職人とあなたを守る儀式
- いきなり工事を始めない。まずは「現状の壊れ方」を共有する。
- 「触る前から壊れていた」ことを証明しないと、冤罪トラブルになる。
- 職人を守るルールが、結果としてお客様の安心に繋がる。
「お宅が来てから調子が悪くなった」と言われないために
工事当日、職人が到着してすぐに工具を取り出すわけではありません。まずは「現状確認」を行います。
「リモコンの電源は入らないと聞いていましたが、画面は映っていますね(でも操作がきかない)」
「お風呂の循環口がすでに割れていますね」
このように、私たちが触る前から発生している不具合をお客様と一緒に確認します。
これをやらないと、工事が終わった後に「あんたが工事してから循環口が割れた!」という冤罪トラブルになりかねないからです。
現場の職人を守るためにも、「今回の工事範囲はここまで」「既存の不具合はこれ」という境界線をはっきりさせます。
まどろっこしいかもしれませんが、この儀式を行うことで、「ここまでは責任を持って直します」というプロのコミットメントが確定するのです。
大急ぎで工事に入ろうとする業者よりも、最初に冷静にチェックを行う業者の方が、結果的には安心安全です。
電話一本で「良い客」と認定されれば、最上級のサービスが返ってくる
私たち「生活案内所」は、給湯器を交換するだけの業者ではありません。お客様の生活の悩みを解決するパートナーです。
だからこそ、最初の電話がすべての始まりです。
知識がなくても構いません。「わかりません」と言ってくれれば、全力でサポートします。
知識があるなら、「型番」を言ってくれれば、即座にプロ同士の会話で最短ルートを示します。
そして、「コミコミ」という言葉に甘えず、「どこまでやってくれるの?」と確認してください。
こうしたコミュニケーションが取れる「賢いお客様」に対して、私たちは全精力を注いで対応します。
リスクのある裏技提案も、お値引きの相談も、すべては信頼関係の上に成り立っています。
ぜひ、私たちを「都合の良い下請け」ではなく、「頼れる相棒」として使ってください。そのお電話をお待ちしています。
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参考情報
よくあるご質問
- Q: 「全てコミコミ」と書いてあるのに、追加料金がかかることはありますか?
- A: あります。標準工事(本体・リモコン・処分)以外に、配管カバーや排気アダプターなどの部材が必要な場合や、現場で断線などの不具合が見つかった場合は追加費用が発生します。
- Q: 電話で型番を伝えたら、すぐに見積もりが出ますか?
- A: はい、在庫状況と概算見積もりはその場で即答可能です。ただし、正確な最終金額は現場の写真(配管状況など)を確認した上で確定させていただきます。
- Q: 給湯器のことが全くわかりません。どう説明すればいいですか?
- A: 無理に専門用語を使わず、「お湯が出ない」「どこを見ればいいかわからない」と正直にお伝えください。私たちが一つずつ質問して誘導しますのでご安心ください。

