こんにちは。「生活案内所」で給湯器交換の現場責任者を務めている大塚です。
この道25年、泥と油にまみれて数えきれないほどの現場を見てきました。
今回は、大分県玖珠郡九重町での石油給湯器交換について、現場の人間として本音をお話しします。
九重町といえば、九州の屋根とも呼ばれるくじゅう連山の麓。温泉地としても有名ですが、私たち設備屋にとっては「九州であって九州でない」特別なエリアです。
冬場の冷え込みは半端じゃありません。平地の感覚で「ネットの最安値業者」に頼むと、ひと冬越せずに配管が破裂する…そんな悲惨な現場を何度救助してきたことか。
「ネットで見た価格と見積もりが全然違う」「寒冷地仕様にしたのに凍った」
そんな後悔をしないために、九重町特有の事情と、プロが隠したがる費用の「リアルな相場」を包み隠さず公開します。
玖珠郡九重町の石油給湯器交換、費用の「リアルな相場」
なぜネットの格安価格が九重町では通用しないのか
皆さんがインターネットで「石油給湯器 交換 費用」と検索して出てくる激安価格。あれはあくまで「関東や関西の温暖な平地」での標準工事費です。
はっきり言います。玖珠郡九重町で、あのネット価格のまま工事を完了させるのは不可能です。もしその価格で引き受ける業者がいるなら、私はその工事を「手抜き」だと断言します。
なぜか。九重町の冬はマイナス気温が当たり前だからです。
標準工事費に含まれる保温工事というのは、通常、薄い保温材を巻いてキャンバステープで仕上げるだけのものです。これは東京や大阪なら問題ありません。
しかし、九重町でこれをやるとどうなるか。氷点下の夜に配管内部の水が凍結し、最悪の場合、膨張して銅管が裂けます。
私たちがこの地域で施工する場合、以下の「付帯工事」が必須となります。
- 凍結防止ヒーターの設置・巻き直し： 給水管・給湯管に電気ヒーターを隙間なく巻き付けます。古いヒーターの再利用は断線リスクがあるため、基本的には新品交換が必要です。
- 二重保温（特厚仕上げ）： 通常の保温材の上から、さらに厚手の保温材を重ね、外気（冷気）を完全に遮断します。
これだけで、部材費と作業工賃で数万円単位のプラスになります。
「ネットでは15万円って書いてあったのに、見積もりを見たら20万円を超えていた」というのは、ぼったくりではなく、あなたの家の水道管を守るための必要経費なのです。
逆に見積もりにこの項目が入っていない業者には、「九重町の冬を知っていますか？ヒーターは巻いてくれますか？」と聞いてみてください。答えに詰まるようなら、その業者は避けるべきです。
本体価格＋工事費の目安と選び方
では、実際いくら用意すればいいのか。ざっくりとした目安をお伝えします。
石油給湯器には大きく分けて「直圧式」と「貯湯式」があります。
- 直圧式： 水道の圧力をそのまま利用するのでシャワーの勢いが強い。現代の主流です。
- 貯湯式： 一度タンクにお湯を貯めるタイプ。安価ですが、水圧は弱め。古い配管の家ではこちらの方が漏水リスクが低い場合もあります。
九重町での交換費用の総額目安（本体＋寒冷地対応工事＋処分費＋消費税）は、以下の通りです。
- 給湯専用（貯湯式）：12万円〜16万円前後
- 給湯専用（直圧式）：15万円〜19万円前後
- 追い焚き付オート（直圧式）：20万円〜25万円前後
以下に、弊社でよく出る価格帯の参考画像を載せておきます。これらはあくまでベースの価格であり、先ほどお伝えしたヒーター工事などの状況によって変動することを覚えておいてください。
お客様の予算と要望に合わせて、最適な機種を提案するのがプロの仕事です。「とにかく高いものを売る」のではなく、「必要な機能を適正価格で」提供することを心がけています。
「寒冷地仕様」を選べば安心？玖珠郡九重町の冬を舐めてはいけない
真犯人は給湯器ではなく「配管」です
よく「寒冷地仕様の給湯器を買ったのに、お湯が出なくなった！不良品だ！」とお電話をいただくことがあります。
現場に急行してみると、9割以上のケースで給湯器本体は正常です。では何が凍っているのか？
給湯器に繋がる「露出配管」です。
九重町の古い住宅では、配管が屋外にむき出しになっているケースが多く見られます。
以前、他社で施工された現場を見て絶句したことがあります。寒冷地仕様の高い給湯器がついているのに、その下の配管が「キャンバステープ」という薄いテープだけで巻かれていたのです。
これでは、裸で雪山に立っているようなもの。数年でテープは紫外線でボロボロになり、雨水が浸透。その水分が夜間に凍って保温材を破壊し、最後は配管自体を破裂させていました。
私たちプロの施工は違います。
配管の接続部（ニップルやバルブ周り）まで徹底的に保温材を密着させ、わずかな隙間も作りません。特に風が当たる北側の設置等の場合は、ヒーターを二重に巻いたり、保温ケースを造作することもあります。
「給湯器本体」を守る機能と、「配管」を守る施工は別物です。ここを混同していると、高いお金を払って寒冷地仕様を買っても意味がありません。
一般地仕様と寒冷地仕様の違いとは
では、そもそも給湯器本体の「寒冷地仕様」は何が違うのでしょうか。
主な違いは「水抜き機能の操作性」と「内蔵ヒーターの強化」です。
寒冷地仕様には、本体内部の水を簡単に抜くためのレバーや栓が操作しやすい位置に配置されていたり、自動の水抜き栓がついているものもあります。
また、凍結防止ヒーターが一般地向けより強力なものが搭載されています。
しかし、メーカーの見解としても、マイナス15度を下回るような極寒地でなければ、本州仕様（一般地仕様）でも十分対応できるケースは多いです。九重町の場合、場所にもよりますが、標準仕様＋しっかりとした配管保温工事で対応できることも多々あります。
逆に言えば、どんなに高性能な寒冷地仕様を選んでも、万が一の時の「水抜き」を知らなければ凍ります。
私たちは工事完了後、必ずお客様に「もしもの時の水抜きのやり方」をレクチャーします。これが機械任せにしない、最強の凍結防止策だからです。
玖珠郡九重町で業者を選ぶ基準は「大雪の日」に来れるか
ネット業者の「全国対応・最短即日」の嘘
ネットで検索すると「全国対応！最短30分！」と謳う業者がたくさん出てきます。
しかし、九重町にお住まいの方ならわかるはずです。大雪の日に、高速道路が止まったら、大分市や福岡市、あるいは遠方のコールセンターから手配された業者が来れるわけがないと。
実際にあった話です。1月の大雪の日、給湯器が壊れたお客様がネットの大手業者に依頼しました。
「明日行きます」と言われたのに、当日になって「高速が通行止めで向かえません。キャンセルでお願いします」と一方的に電話が切られたそうです。
凍える寒さの中、お湯が使えない絶望感は想像を絶します。
そのお客様から泣きそうな声で私に電話があり、私はスタッドレスタイヤを履いた4WDのサービスカーで下道を走り、なんとか現場にたどり着きました。
九重町の冬を甘く見ている「都会基準」のマニュアル業者には、ここの現場は守れません。
近隣在庫と4WD車の重要性
冬場は給湯器の故障が急増するため、メーカーでも在庫切れ（欠品）が頻発します。
特に年末年始や年度末は、「注文しても納期未定」と言われることがザラです。
だからこそ、私たちは「自社倉庫への在庫確保」に命をかけています。
九重町近隣のエリアに、よく出る機種（給湯専用、オートタイプなど）を常にストックしています。
メーカーから取り寄せるのではなく、自分の倉庫から持って行く。だからこそ、大雪の日でも、メーカーが休みの土日でも、「今から行って交換する」ことができるのです。
また、私たちは「Aという機種がなければ工事できない」とは言いません。
壁掛け型がなければ据置型を加工して取り付ける、メーカーを変えて対応するなど、25年の経験で培った引き出しがあります。
お客様が求めているのは「特定の型番」ではなく、「今日お風呂に入れること」だと知っているからです。
九重町の冬に、お湯を止めるわけにはいきません。
まとめ：九重町の給湯器交換は「冬」を知る業者へ
玖珠郡九重町での給湯器交換は、単なる機器の入れ替えではありません。
厳しい寒さ、凍結のリスク、そして雪による交通障害。
これら全てを想定し、それでも確実にお湯を届けるのが私たちの仕事です。
「安さ」も大切ですが、それ以上に「安心」を選んでください。
ヒーターの巻き方ひとつ、保温材の厚みひとつで、数年後の寿命が変わります。
もし業者選びに迷ったら、一度私たちにご相談ください。無理な売り込みはしません。あなたの家の状況に最適なプランを、プロの視点で正直にお伝えします。
よくある質問
- Q. 九重町ですが、本当に即日対応できますか？
- A. はい、近隣エリアに在庫を持っており、スタッドレス装備の車両で巡回しているため、物理的に移動が可能な限り即日対応を目指します。機種や在庫状況によるため、まずはお電話でご確認ください。
- Q. ネットで買った給湯器の取り付けだけお願いできますか？
- A. 申し訳ありませんが、原則としてお断りしています。万が一の凍結や故障の際に責任の所在が曖昧になるためです。商品選定から施工まで一貫して責任を持てる場合のみ承っております。
- Q. 見積もり後の追加料金はありますか？
- A. 原則ありません。現地調査を行い、ヒーター工事等の必要性を確認した上で確定見積もりをお出しします。工事中に予期せぬ腐食等が見つかった場合は、必ず作業前にご相談します。
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