生活案内所の現場責任者、大塚です。
私はこれまで25年間、給湯器交換の最前線でスパナを握り、油と潮風にまみれてきました。ここ大島町は、温暖なイメージを持たれがちですが、私たち設備士にとっては「過酷な現場」の一つです。海からの強烈な潮風、山間部の冷え込み、そして離島特有の物流の難しさ。
この土地で長く仕事をしていると、ネット上の「全国対応・格安」という言葉がいかに大島町の現実を無視しているかを痛感します。
「ネットで頼んだら、港までしか来られないと言われた」
「塩害でボロボロになったのに、保証対象外だと言われた」
こんな相談を毎年受けます。給湯器は、単に機械をポンと付け替えれば終わりではありません。特に石油給湯器(石油ボイラー)は、ガス以上に施工の腕と「土地への理解」が寿命を左右します。
今回は、現場を知らない人が書いたような薄っぺらい一般論は一切書きません。大島町の現場で私が実際に見てきた「リアルな相場」と、この島の冬と潮風を乗り越えるための「必須工事」について、包み隠さずお話しします。

大島町の石油給湯器交換、費用の「リアルな相場」
まず、皆さんが一番気にされるお金の話から始めましょう。「相場」といっても、ネット検索で出てくる「給湯器本体が70%OFF!」という数字だけを鵜呑みにしてはいけません。あれはあくまで「本体代金」の話であり、大島町で安全にお湯を使い続けるための「工事費」は別物だからです。
ネットの格安表示価格が大島町では通用しない理由
通常、石油給湯器の交換費用の総額は、以下の3つの要素で決まります。
- 本体価格(直圧式か貯湯式か、オートか給湯専用か)
- 標準工事費(撤去、設置、配管接続、試運転)
- 付帯工事費(現場の状況に合わせた追加処置)
この3つ目の「付帯工事費」こそが、大島町での最大のポイントです。本土の激安業者やマッチングサイトで見かける「コミコミ価格」には、内陸の平地を想定した最低限の部材費しか含まれていません。
しかし、大島町は違います。海沿いの集落では強烈な塩分を含んだ風が吹き付け、山側では冬場にマイナス気温になることもある。こういった場所では、標準工事の内容だけでは数年で配管が腐食し、痛い目を見ます。

【現場の真実】「付帯工事費」の正体を暴露します
ここからは、あえて業界のタブーに触れます。見積もりが安い業者と、私たちのような地元密着の施工店で、決定的に違うのが「塩害・凍結対策」へのコストのかけ方です。
「大島は暖かいから、凍結なんてしないでしょ?」
そう思っていませんか?実は、強風が吹き荒れる日は「体感温度」だけでなく「配管の表面温度」も急激に下がります。風が熱を奪うのです。
ネットの格安業者の多くは、配管の保温工事を「標準仕様(キャンバステープ巻き)」で終わらせます。しかし、大島町の潮風に晒されると、キャンバステープはあっという間に劣化し、ボロボロになります。そこから塩水が入り込み、配管を錆びさせ、最悪の場合は凍結破裂を招きます。
私が大島町の現場で行う際、以下の施工を追加で提案することがあります。
- 凍結防止ヒーターの強化・巻き直し: 既存のヒーターが断線していないか厳重にチェックし、潮風に強いタイプへ交換します。
- 二重保温&対候性テープ仕上げ: 通常の保温材の上から、さらに厚手の保護層を作り、紫外線と塩分に強い特殊テープ(防食テープ等)で隙間なく密閉します。
これらを真面目にやれば、部材費と手間で数万円の差が出ることがあります。しかし、「ネットで見た価格より高い」と言われても、私はこの工事を外すことはしません。
なぜなら、わずかな金額をケチったせいで、真冬の夜に給湯器から水が噴き出し、島内に業者がいなくて何日もお風呂に入れない……そんなお客様の姿を見たくないからです。
参考までに、当社の標準的な価格帯をご紹介します。もちろん、大島町の環境に応じた適正な処置を含んだ上でのご提案となります。
「寒冷地仕様」を選べば安心?大島町の冬を舐めてはいけない
「大島でも寒冷地仕様の給湯器が必要ですか?」
お客様からよく聞かれる質問です。メーカーのカタログ基準では「一般地」に分類されることが多いですが、現場を知る私の答えは「ケースバイケース、ただし配管は寒冷地並みの装備が必要」です。

犯人は給湯器ではなく「配管」です
知識のない方やマニュアル通りの回答では、「大島町は温暖なので一般地仕様でOK」となります。しかし、それは「無風状態」での話です。
私が過去に大島町で修理した事例をお話ししましょう。
そのお宅は、本土の業者から通販で給湯器を購入し、地元の便利屋さんに取り付けてもらったそうです。機種は立派なものでしたが、配管には白い「キャンバステープ」が巻かれていただけでした。
数年後、冬の嵐が来た翌朝、お湯が出なくなりました。見に行くと、風当たりの強い北側の配管で、テープがボロボロに剥がれ、むき出しになった鉄管が凍結・破裂していました。
大島町の古い住宅は、配管が屋外に露出しているケースが非常に多いです。ここに安易な施工をすることは、寿命を縮める行為そのものです。

私たちプロは、大島町の露出配管にはこだわり抜いた部材を使います。塩害に強い塗装が施された配管カバー、ステンレス製の部材、そして厚手の保温材。これらはカタログ上の「機能」ではありませんが、島で長く使うためには必須の「防御策」なのです。
大島町で業者を選ぶ基準は「悪天候の日」に来れるか
業者選びにおいて、価格や保証期間はもちろん大切です。しかし、離島エリアである大島町において最も重要なのは、「荒天時にその業者は対応できるか」という点です。
「全国対応・最短即日」の嘘とカラクリ
給湯器が壊れるのは、得てして一番寒い日や、台風が通過した後など、気象条件が厳しい時です。
ネットでよく見る「全国対応・最短即日」の業者。彼らの多くは、東京や関東の拠点からフェリーで職人や部材を派遣するスタイルをとっています。
しかし、波が高い日はフェリーが欠航します。台風シーズンや冬の荒れた海では、何日も船が出ないことがあります。
そんな時、本土の業者はどうするか。「船が出ないので行けません」と、電話一本でキャンセルせざるを得ません。お湯が出なくて困っているお客様を、海を隔てた向こう側から見捨てるしかないのです。
その点、私たちは違います。
私たちは「大島町周辺」の現場状況を把握し、必要な主要機種の在庫を持っています。フェリーが止まろうが、島の中に在庫があれば工事はできます。
「本土の業者には『天候が回復するまで待ってください』と言われたけど、大塚さんはすぐに来てくれた」。
そう言っていただけることが、私たちの誇りです。島特有の道路事情や、集落ごとの給水管の癖を知り尽くしたスタッフが、4WDのサービスカーで駆けつけます。

「近くに在庫がある」ということ。これが、大島町という環境で生活インフラを守るための、最強のスペックだと私は確信しています。
大島町周辺での石油給湯器交換事例
実際に私たちが手がけた、石油給湯器の交換事例をご覧ください。潮風によるサビ対策や、配管周りの保温処理の綺麗さにも注目していただければと思います。
【交換前】
長年使用されたパーパス製の給湯器。潮風の影響で外装の下部が激しく腐食しており、いつ底が抜けてもおかしくない状態でした。
【交換後】
ノーリツの直圧式給湯器へ交換。配管カバーを新調し、露出部分には対候性のあるテープを二重に巻いて塩害対策を施しました。
なぜ、生活案内所が選ばれるのか
私たちは、ただ給湯器を交換して終わりにする会社ではありません。「お客様の生活を止めないこと」を使命としています。

「断らない」という覚悟
他社で「島だから対応できない」「塩害地域用の納期がかかるから待ってくれ」と断られた案件こそ、私たちの出番です。メーカー指定の塩害塗装品が入荷するまで数ヶ月かかる場合でも、在庫のある標準品に現場で防錆処理を施して仮設置するなど、お湯を使うための手段をあらゆる知恵を絞って提案します。
また、不要に高い商品を売りつけることもありません。例えば、シャワーしか使わないお宅に、高機能なフルオートタイプを勧めるようなことはしません。「給湯専用機」を提案し、コストダウンを図る。「ダウングレード提案」もプロの務めです。
お問い合わせから工事までの流れ
お問い合わせから、温かいお湯が出るようになるまでのステップは非常にシンプルです。

- お問い合わせ: お電話または下記フォームからご連絡ください。「お湯が出ない」「異音がする」「黒い煙が出る」など、状況を教えてください。
- 現地調査・お見積り: 必要に応じて現地を確認し、大島町の地形や塩害状況に合わせた最適なプランをご提示します。
- 工事: 経験豊富なスタッフが、防錆・凍結対策も万全に行った上で施工します。
- アフターフォロー: 万が一の不具合や、使い方の不明点があれば、すぐに駆けつけます。
よくあるご質問
- Q. 本当に追加費用はかかりませんか?
- A. お見積り提示後の不当な追加請求は一切ありません。ただし、現地調査の段階で、給水管の著しい腐食や、灯油タンクの危険なサビが見つかった場合は、事前にしっかりとご説明し、ご納得いただいた金額で工事を行います。「後出しじゃんけん」のような請求は絶対にしません。
- Q. 塩害対策仕様(耐塩害仕様)の給湯器は必要ですか?
- A. 海岸から近いエリア(300m以内など)では推奨されます。ただし、メーカー特注となり納期が1〜2ヶ月かかることがあります。「今すぐお湯を使いたい」という場合は、標準品に防錆ワックスを塗布して設置し、寿命重視で割り切るという選択肢もご提案できます。
- Q. タンク(灯油タンク)の交換もお願いできますか?
- A. もちろんです。潮風の影響でタンクの脚が錆びて折れそうになっているケースをよく見かけます。これは非常に危険ですので、給湯器交換と同時にステンレス製のタンクや、塗装し直されたタンクへの交換をお勧めします。
- Q. 土日や祝日でも対応してくれますか?
- A. はい、土日祝日も休まず対応しております。大島町エリアであれば、在庫状況にもよりますが、最短で対応可能ですので、まずはご相談ください。
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