
灯油ボイラー(石油給湯器)の交換や修理で、お困りではありませんか。急な故障でお湯が使えなくなると、日常生活に大きな支障が出ます。
この記事は、給湯器交換の専門家である「生活案内所」の大塚が執筆しています。業界25年の経験から、お客様が安心して機器を選べるようサポートいたします。

灯油ボイラーのタンク交換の値段は、業者によって数万円単位で変動することがあります。この価格差は、見積もりの「諸経費」や「追加工事費」の扱いに起因する場合が少なくありません。古い灯油タンクのサビや灯油漏れは、ボイラー本体の故障にもつながる重大なサインです。本稿では、灯油タンク交換の適正な値段相場、容量別(90L, 200L)の費用内訳、そして高額請求(ぼったくり)を回避するための信頼できる業者の見極め方まで、専門家の視点で徹底的に解説します。
容量別(90L/200L/490L)灯油タンク交換の値段・費用相場
- 灯油タンクの交換値段は「タンク本体価格」「標準工事費」「古いタンクの撤去処分費」の合計で決まります。
- 容量(90L/200L)によって本体価格は異なりますが、工事費や処分費は大きく変わらないことが一般的です。
- ホームセンターは本体価格が安価に見えますが、専門業者による確実な配管接続や安全確認、処分費まで含めた総額での比較が不可欠です。
相場価格表(タンク本体価格+標準工事費+撤去処分費)。ホームセンター(DIY) vs 専門業者の総額比較。
灯油タンク交換の総額相場は、最も一般的な90L(標準タイプ)で約50,000円~80,000円、200Lタイプで約70,000円~120,000円が目安です。この値段は、「タンク本体(材質:スチール製かステンレス製か)」「標準工事費(既存撤去、新規設置、配管接続)」「古いタンクの撤去処分費」の3要素で構成されています。
ホームセンター(HC)と専門業者では、この「値段」の内訳、特に「標準工事費」の範囲が異なるため、単純な本体価格での比較は危険です。HCはタンク本体の価格が安価(例:90Lタンク 20,000円~)に設定されている場合がありますが、工事は提携する下請け業者が行うことが多く、配管接続や古い灯油の処分が別途費用となるケースが少なくありません。
専門業者は、総額(コミコミ価格)として提示することが多く、一見高く見えても、安全な配管接続(漏れ防止)、基礎の状態確認、古いタンクと残油の処分まで含まれるため、最終的なコストパフォーマンスと安全性が高い場合があります。なお、DIY(自分で交換)は、消防法にも関わる危険物(灯油)の配管作業を伴うため、灯油漏れや火災のリスクが極めて高く、絶対に行ってはいけません。
- 90Lタンク(スチール製)相場: 本体 20,000円~ + 工事/処分 30,000円~ = 総額 50,000円~
- 200Lタンク(スチール製)相場: 本体 40,000円~ + 工事/処分 35,000円~ = 総額 75,000円~
- ※ステンレス製タンクの場合は、上記に+15,000円~25,000円程度が目安です。

今すぐ自宅のタンク容量(型番)を確認する方法。家族構成別の最適容量シミュレーション(例:2人家族なら90Lで十分か)。
正確な交換見積もりを取得するには、まず現在設置されている灯油タンクの「容量(L)」と「型番」を把握することが不可欠です。容量が分からないと、業者は正確な本体価格を提示できません。タンクの容量は、家族構成やライフスタイル(お湯の使用量、給油の頻度)によって最適な大きさが異なります。
容量と型番は、タンク本体の側面や脚部に貼られている「銘板シール」に記載されていることがほとんどです。「OF-90S」「OT-200K」のように、型番の数字がそのまま容量を示しています。銘板シールが錆びて読めない場合は、タンクのおおよその寸法(幅・奥行・高さ)を測って業者に伝えてください。
【容量別シミュレーション】
- 90L (標準・最も一般的):
2~4人家族。給湯のみ、または追い焚きでの使用。給油頻度(冬場)は月1~2回程度。省スペースで設置しやすいため、都市部で主流です。
- 200L (中容量):
4~6人家族、二世帯住宅、または床暖房など暖房でも灯油を多く消費する家庭。給油の頻度を減らしたい(例:シーズンに2~3回)場合に適しています。
- 490L (大容量):
豪雪地帯、大家族、または業務用(店舗併設など)。
例えば、2人家族で給湯と追い焚きのみの使用であれば、90Lタンクで十分対応可能です。給油の手間を減らしたい場合を除き、無理に大容量のタンクにする必要はありません。






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なぜ見積もりで5万円も差がつく?追加費用が発生する「罠」 (ボイラー本体との同時交換は本当に得か?)
- 見積もり値段の差は、「標準工事」に含まれない「追加費用」の有無によって生じます。
- 「コンクリート基礎工事費」「配管延長費」「古い灯油の処分費」が、高額請求のカラクリ(罠)となりやすい代表的な項目です。
- 灯油ボイラー本体(寿命10~12年)とタンク(寿命10~15年)の同時交換は、ボイラーが8年以上経過している場合、工賃が割安になるため合理的です。
高額請求のカラクリ(例:コンクリート基礎工事費、配管延長費、古い灯油の処分費)。同時交換のメリット・デメリット。
灯油タンク交換の見積もりで5万円以上の値段差が出る最大のカラクリは、「標準工事」に含まれない「追加費用」の扱いにあります。安価な見積もりを提示する業者は、タンク本体と最低限の接続費しか含まず、工事当日に現場で「追加工事が必要」として高額請求する手口があります。
特に注意すべき「追加費用」の罠は、以下の項目です。
- コンクリート基礎工事費:
既存のコンクリートブロック基礎が割れている、または安全基準(転倒防止)を満たすためにしっかりとした基礎を打ち直す必要がある場合。
- 配管延長費:
タンクの設置場所を消防法(離隔距離)遵守のために数メートル移動させる場合、送油管(銅管)の延長費用が発生します。
- 古い灯油の処分費:
古いタンクの底に溜まった水やサビが混入した「不良灯油」の抜き取り・処分は、産業廃棄物扱いとなるため別途費用とされることが多いです。
また、「ボイラー本体との同時交換は得か?」という点については、ボイラー本体が設置から8年以上経過しているなら「同時交換が合理的」です。灯油ボイラーの寿命(10~12年)とタンクの寿命(10~15年)は近いため、配管作業を一度で終えられる同時交換は、個別に交換するよりも工賃が10,000円~20,000円程度割安になります。デメリットは、初期費用(値段)が高額になる点のみです。

見積もり時に「追加費用が発生するケース」を必ず確認する必須質問リスト。「標準工事」に含まれる作業範囲の定義。
ぼったくりや高額請求を回避する最も確実な方法は、見積もり依頼時に、業者に対して「標準工事の定義」と「追加費用が発生する全ケース」を明確にさせることです。業者は、顧客が素人であることにつけ込み、意図的に「標準工事」の範囲を曖昧にします。これを防ぐには、こちらから具体的な質問をぶつけるしかありません。
優良な業者は、「標準工事」を「既存タンクの撤去・処分、同位置への新タンク設置、既存送油管への接続」と明確に定義しています。以下の「必須質問リスト」を使って、電話やメールで必ず確認してください。
【追加費用を炙り出す 必須質問リスト】
- 「この見積もり値段には、古いタンクの撤去費と処分費は含まれていますか?」
- 「古いタンクの底に残った灯油の処分も、費用内で対応してもらえますか?」
- 「設置場所のコンクリート基礎が割れていた場合、補修費用は別途かかりますか?かかるとすればいくらですか?」
- 「送油管(銅管)が古く、交換が必要になった場合、追加費用はいくらですか?」
- 「消防法の基準で、設置場所の移動(配管延長)が必要になる可能性はありますか?」
これらの質問に対し、「それは現場を見ないと何とも…」と曖昧に回答を濁す業者や、「すべてコミコミです」と根拠なく断言する業者は危険です。「〇〇の場合は追加〇円です」と、条件と値段を明確に回答できる業者を選んでください。

失敗しない「業者選び」と「安全基準」(消防法)の全知識
- 古い灯油タンクの放置は、サビや結露水による「灯油漏れ」や、水がボイラーに流入することによる「ボイラー本体の故障」を引き起こす重大なリスクです。
- 灯油タンクの設置には消防法(火災予防条例)に基づく「離隔距離」や「転倒防止措置」が義務付けられており、安全基準の遵守が必須です。
- 優良業者は「石油機器技術管理士」などの資格を保有し、施工実績が豊富で、工事保証(配管接続部からの漏れなど)が明確です。
安全基準(例:消防法での離隔距離、転倒防止措置)。古いタンクを放置するリスク(サビ、結露による灯油漏れ、火災)。
古い灯油タンクを「まだ使える」と放置することは、値段の問題以上に「火災」や「土壌汚染」といった深刻なリスクを抱え込む行為です。灯油タンクは鉄製(スチール)が主流であり、屋外で雨風にさらされるため、10年以上経過すると内部の温度差による「結露水」が底に溜まり、そこからサビが発生します。
このサビが進行すると、タンクの底に小さな穴(ピンホール)が開き、灯油漏れを引き起こします。漏れた灯油は火災の原因になるだけでなく、地面(土壌)を汚染し、その修復・入れ替えに数十万円以上の高額な費用がかかるケースもあります。また、結露水が灯油と共にボイラー本体に流入すると、不完全燃焼や機器の故障を招きます。
タンクの交換・設置には、安全確保のため消防法(または各自治体の火災予防条例)で厳密な基準が定められています。
- 離隔距離:
タンクとボイラー本体(火気)との距離、建物の壁(特に窓や開口部)との距離、隣地境界線との距離を一定以上(例:0.5m~2m、基準は自治体による)保つ必要があります。
- 転倒防止措置:
地震による転倒を防ぐため、アンカーボルトでコンクリート基礎に固定する、または堅固な架台にボルトで固定する義務があります。
古い設置(15年以上前)では、この安全基準を満たしていない「既存不適格」の状態も多く、交換時に設置場所の変更(=追加費用)が必要となる場合があります。

優良業者を見抜く「5つのチェックポイント」(資格の有無(石油機器技術管理士など)、施工実績、保証内容)。
値段の安さだけで業者を選ぶと、消防法(安全基準)を無視した危険な工事をされたり、ずさんな配管接続で灯油漏れを起こされたりするリスクがあります。灯油タンクの交換には、灯油(危険物)の取り扱いや配管接続に関する専門知識が不可欠です。信頼できる優良業者を見抜くためには、以下の「5つのチェックポイント」で客観的に判断する必要があります。
【優良業者を見抜く 5つのチェックポイント】
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資格の有無:
Webサイトの会社概要などで「石油機器技術管理士」や「危険物取扱者」の資格保有者が在籍しているかを確認します。
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施工実績:
灯油ボイラーやタンクの交換実績(写真)が豊富に公開されているか。特に地元の実績が多いかを確認します。
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保証内容:
「工事保証」が明確か(例:配管接続部からの漏れを〇年保証)。本体のメーカー保証とは別です。
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見積もりの明確さ:
H2(2)-2の質問に対し、追加費用の条件と値段を明確に回答できるか。「一式」ばかりの見積もりは危険です。
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安全基準(消防法)の知識:
こちらから質問しなくても、業者側から「離隔距離」や「転倒防止措置」について、専門的な説明があるか。
例えば、札幌市中央区の石油ボイラー交換や仙台市青葉区の石油ボイラー交換のように、寒冷地で石油機器の実績が多い業者は、配管の凍結防止なども含めて信頼性が高い傾向があります。また、さいたま市西区での石油ボイラー交換など、都市部近郊でも石油ボイラーの交換には特有のノウハウが必要です。

「灯油ボイラー タンク 値段」のご参考に(ガス給湯器 施行例 5選)
1. ノーリツ製GT-2400SAWをご利用の横浜市のお客様(ノーリツ・GT-C2452SAWX-2 BLへ交換)
ノーリツ製の従来型ガス給湯器GT-2400SAWから、後継機種であるエコジョーズタイプのGT-C2452SAWX-2 BLへ交換しました。古い機種からの交換もスムーズに対応いたします。


2. ノーリツ製GRQ-243SAをご利用の名古屋市のお客様(ノーリツ・GT-C2462SARX BLへ交換)
隣接設置型のノーリツ製GRQ-243SAを撤去し、新しく据置型のエコジョーズGT-C2462SARX BLへと交換を行いました。設置形態の変更にも対応しています。


3. ノーリツ製GT-2427SAWXをご利用の福岡市のお客様(リンナイ・RUF-A2405SAWへ交換)
壁掛け型のノーリツ製GT-2427SAWXから、リンナイ製のRUF-A2405SAWへ交換しました。同等の機能を持つ他メーカー機種へのご提案も可能です。


4. パロマ製 壁掛24号をご利用の世田谷区のお客様(パロマ・FH-E2421SAWLへ交換)
既存のパロマ製壁掛け24号機から、新しいパロマ製エコジョーズモデルFH-E2421SAWLに交換しました。同じメーカー内での後継機種へのアップグレードです。


5. ノーリツ製GTH-2434SAWX-Tをご利用の札幌市のお客様(ノーリツ・GTH-2454SAW3H-T BLへ交換)
マンションPS(パイプスペース)設置型のノーリツ製GTH-2434SAWX-T(TES熱源機)を、後継のGTH-2454SAW3H-T BLに交換しました。特殊な設置タイプにも対応可能です。


灯油ボイラーのタンク交換:値段相場と業者比較の最適解
灯油ボイラーのタンク交換を成功させる鍵は、値段の「総額」と「安全基準」の両方を見極めることです。多くの方が、90Lや200Lといった「タンク本体の値段」だけで比較検討してしまいがちですが、実際に支払う費用は「工事費」「古いタンクの撤去処分費」、そして「隠れた追加費用」によって決まります。
まず、ご自宅のタンク容量を確認し、90Lで約5万~8万円、200Lで約7万~12万円という総額相場を把握することが第一歩です。その上で、ホームセンターと専門業者の見積もりを比較しますが、その際は「標準工事」の範囲を定義させ、「追加費用が発生するケース」(特に基礎工事費、配管延長費、古い灯油の処分費)を明確にさせることが、ぼったくりを回避する最大の防御策となります。
また、灯油ボイラー本体が8年以上経過している場合は、配管作業の工賃を節約できる「ボイラー本体との同時交換」も合理的な選択肢となります。
値段以上に重要なのが「安全性」です。古いタンクを放置すると、サビや結露水が原因で灯油漏れやボイラー本体の故障を招くリスクがあります。交換工事は、消防法(離隔距離、転倒防止措置)を遵守して行う義務があります。安さだけを追求し、これらの安全基準を無視する業者に依頼してはいけません。
最終的な最適解は、本稿で紹介した「5つのチェックポイント」(資格、実績、保証、見積もりの明確さ、安全知識)を満たし、かつ適正な値段を提示する優良業者に依頼することです。今すぐご自宅のタンクの銘板シールと設置状況(サビ、基礎の状態)を確認し、本稿の「必須質問リスト」を活用して、最低2社から「総額」の見積もりを取得することから始めてください。

参考情報
- 名古屋市昭和区で給湯器の交換なら安心の生活案内所へ
- 【名古屋市西区】の給湯器交換に際して後悔をしないためのプロ知識を無料でまとめました。
- 【ウソだろ?】世田谷区のエコキュート補助金で実質価格を激変させるたった一つの裏側。損しないための絶対行動リスト
- 【熊本市北区民必見】給湯器交換、ガス(国)とエコキュート(市)で補助金が違う?費用を激変させる戦略的選択。
- 【福岡市早良区民必見】給湯器交換、ガス(国)とエコキュート(市)で補助金が違う?費用を激変させる戦略的選択。
- 一般財団法人 日本ガス機器検査協会 (GSSは「ガス機器設置技能資格制度」に基づく資格)
- 公益財団法人給水工事技術振興財団 (国家資格「給水装置工事主任技術者試験」を所管)
- 液化石油ガス設備士講習 (LPガス設備工事に必要な法定資格)
- メーカーノーリツ (ガス/石油給湯機などの製品情報)
- メーカーリンナイ (給湯器、キッチン製品などの総合情報)
- メーカーパロマ (給湯器・熱源機、キッチン製品情報)
- 経済産業省 (給湯省エネ事業の詳細サイト)
- 国土交通省・経済産業省・環境省 (住宅省エネ2025キャンペーン)
灯油ボイラーのタンク交換に関するよくあるご質問
- Q: 灯油タンク交換の値段相場(90L)はいくらですか?
- A: タンク本体、標準工事費、古いタンクの撤去処分費をすべて含んだ総額で、約50,000円~80,000円が目安です。ただし、設置場所の基礎工事や配管延長が必要な場合は追加費用がかかります。
- Q: 見積もりで5万円も値段が違うのはなぜですか?
- A: 安い見積もりには「古いタンクの処分費」や「古い灯油の処分費」、「コンクリート基礎工事費」などが含まれておらず、後から「追加費用」として請求されるカラクリが多いためです。必ず総額と追加費用の条件を確認してください。
- Q: ホームセンターと専門業者、どちらが安いですか?
- A: タンク本体の値段はホームセンターが安い場合がありますが、工事費や処分費が別途必要なケースが多いです。総額(コミコミ値段)と工事の安全性(有資格者か、消防法遵守か)で比較すると、専門業者の方が確実な場合があります。
- Q: 古いタンクを放置するリスクは?
- A: 内部の結露水によりタンクの底からサビが発生し、灯油漏れ(火災・土壌汚染の原因)を引き起こすリスクがあります。また、結露水がボイラー本体に流入して故障させる原因にもなります。10年~15年が交換の目安です。
