「工事は未完成でもいい」給湯器の在庫切れでも即日お湯を出す「緊急出湯」と順番待ちの裏側


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「工事は未完成でもいい。
今日、お風呂に入ってください。」
私たちがリスクを背負って「即日」にこだわる理由。

【記事監修・執筆】大塚(生活案内所 給湯器担当)

「生活案内所」は単なる給湯器屋ではありません。お客様の「困った」を解決する相談所です。
業界の効率至上主義に疑問を持ち、泥臭い調整や利益度外視の提案を行ってでも、目の前の「お湯が出ない不安」を解消することを信条としています。

お客様に寄り添う提案
私たちは「給湯器を売る」ことよりも、「お湯のある生活を取り戻す」ことをゴールにしています。

12月の凍えるような夜。「お湯が出ない!小さな子供がいるんです、助けてください!」という悲痛な電話が鳴り響く中、多くの業者はこう答えます。

「すみません、予約がいっぱいで最短で2週間後です」

物理的にスケジュールが埋まっているなら仕方がない。それが業界の常識です。しかし、私はその常識が大嫌いです。
本当に仕方がないのでしょうか? 予約リストに並んでいるすべてのお客様が、同じ熱量で「今すぐ」を求めているのでしょうか?

私たち生活案内所は、他社とは少し違う動き方をします。
時には部材が足りなくても「未完成」のままお湯を出します。時には予約済みのお客様にお願いして、順番を譲ってもらいます。

「効率」よりも「人情」を優先する。今日は、そんな私たちが現場で行っている、少しおせっかいな「特別対応」についてお話しします。

予約2週間待ちの壁を突破する。「魔法の順番待ちシステム」と善意のバトン

  • 12月の繁忙期でも、全員が「今日工事してほしい」わけではない。
  • 「急いでいない人」にメリットを提示し、枠を譲ってもらう調整力。
  • 「ずっと譲り続けたい」と言うお客様まで現れる、善意の連鎖。

「お礼金5,000円」で順番を譲ってもらう。みんなが幸せになるトリアージ

年末の繁忙期、スケジュール帳は真っ黒になります。しかし、その中身を精査すると、「壊れてお湯が出ない人」と「壊れていないが念のために交換する人」が混在しています。

普通の業者は「申し込み順」に工事を入れますが、私はこれを「緊急度順」に並べ替える調整を行います。
具体的には、予約が入っている中で「急いでなさそうなお客様(予防交換など)」を事前にリストアップしておきます。

そして、もし「今すぐお湯が出なくて死にそう!」という緊急のお客様から連絡があった時、リストの方にこう電話をするのです。

「〇〇様、実は小さなお子様がいてお湯が出ずに困っている方がいらっしゃるのですが、もしよろしければ工事日を数日譲っていただけないでしょうか? その代わり、お礼として工事費から5,000円お値引きさせていただきます」

これをお願いすると、驚くほど多くの方が快諾してくれます。「急いでないし、値引きになるならラッキー」「困ってるならお互い様だから」と。
これにより、緊急のお客様は割り込み料金を払うことなく(むしろ私たちが値引き分を負担してでも)、最短で工事を受けることができます。
ディズニーランドのファストパスはお金で時間を買いますが、私たちのパスは「善意」で時間を融通し合うシステムなのです。

要点:ただ断るのではなく、既存のお客様と交渉してでも、あなたのための「枠」をこじ開けます。

「ずっと譲り続けてもいいよ」というお客様に教えられたこと

この調整を行っていると、人間の温かさに触れる瞬間が多々あります。

ある時、何度も順番を譲ってくださるお客様がいらっしゃいました。「また急ぎの方が来たんですが…」と恐る恐る電話すると、

「いいよいいよ、ウチはまだ使えるから。また5,000円引いてくれるの? じゃあずっと譲り続けようかな(笑)」

と笑って仰ったのです。

もちろん、いつかは工事をしなければなりませんが、そのお客様にとっては「値引き」というメリット以上に、「困っている誰かを助けてあげた」という行為自体を楽しんでおられるようでした。

給湯器交換は、ただの事務的な設備工事です。でも、そこに「人と人との関わり」が生まれる余地はあります。
他社で「2週間待ち」と門前払いされたとしても、諦めずに私たちに相談してください。もしかしたら、優しい誰かが順番を譲ってくれるかもしれません。

リビングのソファに座って笑顔を見せる三世代家族
お客様同士の「思いやり」が、緊急事態を救うことがあります。
要点:私たちのスケジュール帳は固定ではありません。あなたの緊急度に合わせて、柔軟に変化します。

「工事完了」より「今日のお風呂」を優先する。禁断の「緊急出湯モード」

  • 部材が足りなくても、工事を諦めて帰ることはしない。
  • 「追い焚き」を捨てて「シャワー」だけ生かす、プロの応急処置。
  • 見た目は未完成でも、温かいお風呂に入れることの価値。

リモコンが届かない? それでも今日、お湯は出せます

「希望の給湯器はあるけれど、リモコンや部材の一部が欠品していて工事ができない」。そんな時、真面目な業者ほど「全部揃ってから伺います」と言います。

しかし、お客様にとってのゴールは「完璧な工事完了」ではなく、「今日お風呂に入ること」はずです。
だから私たちは、部材が足りなくても現場に向かいます。そして「緊急出湯モード」を使います。
これは多くの給湯器に搭載されている機能(または裏技的な結線)で、リモコンがなくても、あるいは追い焚き配管が繋がっていなくても、とりあえず「60℃の高温」などで給湯機能だけを強制的に動かすモードです。

「追い焚きはまだできません。リモコンも付いていません。でも、蛇口を捻ればお湯は出ます。シャワーは浴びられます」

こう伝えて仮工事を終えると、何日もお風呂に入れなかったお客様は涙を流して喜んでくれます。

見た目は配管が剥き出しで、工事としては60点かもしれません。でも、その夜の幸福度は100点満点のはずです。
残りの工事は、部材が届いた翌週にゆっくりやればいい。私たちはそう考えます。

依頼から作業完了までの流れ
通常のフローにとらわれず、「仮設工事」というステップを挟んででも最短復旧を目指します。
要点:100点の工事より、60点の仮復旧。私たちは「形式」よりも「実利(入浴)」を優先します。

在庫がないなら「レンタル給湯器」を吊るせばいい

もし商品そのものが全く手に入らない場合でも、私たちは諦めません。倉庫に眠っている「レンタル用給湯器(仮設機)」を持って走ります。

見栄えは悪いかもしれません。壁に仮設の給湯器がぶら下がり、ホースが繋がっているだけの状態です。
でも、名古屋市千種区の給湯器交換現場でもそうでしたが、これさえあれば、本命の商品が届くまでの1ヶ月間、銭湯に通う必要がなくなります。

多くの業者がこれをやりたがらないのは、単純に「面倒だから」です。2回工事に行かなければならないし、手間賃も取れないことが多い。
でも、私たちはやります。なぜなら、私たちは「給湯器を売る店」ではなく、「生活の困ったを解決する店」だからです。
泥臭いと言われても構いません。あなたの家の蛇口からお湯が出ること、それが全てです。

要点:商品が届くまでの間、仮設機でお湯を出す。そんな「当たり前」をやる業者は意外と少ないのです。

時には「買わせない」提案もします。売上よりも信頼を守るために

  • 「10年保証」は本当に必要? シンプルな給湯器は20年壊れない事実。
  • 壊れていないなら売らない。修理やリセットで直るなら正直に伝える。
  • 「生活案内所」は給湯器屋ではない。悩みを解決するパートナー。

給湯専用機に「有料10年保証」は金の無駄? 現場の統計学

お客様から「1万円払って10年保証に入った方がいいですか?」と聞かれた時、私は機種によっては「必要ないですよ」とはっきり言います。

特に「給湯専用(追い焚きなし)」のようなシンプルな機種の場合です。
現場の感覚値ですが、このタイプの給湯器は構造が単純なため、平気で15年、20年と持ちます。30年選手の現役機を見ることも珍しくありません。
逆に、暖房機能付きやフルオートなどの高機能機種は、部品点数が多いため10年前後で故障するリスクが高まります。

メーカーや量販店は、保証料で稼ぎたいので一律に加入を勧めます。しかし、壊れる確率が極めて低い商品に1万円の保険を掛けるのは、お客様にとって不利益です。

「40万円の高級機なら入りましょう。でも、この6万円の給湯器には不要です。その1万円で美味しいものでも食べてください」

そう伝えることが、プロとしての誠意だと私は信じています。

要点:何でもかんでも保証を勧めるのはマニュアル対応。機種ごとの「故障率」を知るプロのアドバイスを聞いてください。

「コンセントを抜けば直ります」。売上ゼロでも本当のことを教える

「給湯器が壊れたから交換して!」とお電話をいただくお客様も、状況を聞いて「それ、多分壊れていませんよ」とお伝えすることがあります。

昨今の給湯器はコンピュータ制御されており、落雷やノイズで一時的にエラーが出ているだけというケースが多々あります。その場合、家の外にある給湯器の電源プラグを一度抜き、1分待って挿し直す(リセットする)だけで嘘のように直ることがあるのです。
また、明らかに修理で直る軽微な故障の場合も、メーカーの修理窓口をご案内します。

黙って交換すれば、私などの売上になります。でも、まだ使えるものを捨てさせるのは、私の美学に反します。

「なんだ、買わなくて済んだ! ありがとう!」

そう言っていただければ、今回は売上ゼロでも構いません。そのお客様が本当に寿命で交換する時に、きっとまた私を思い出してくれると信じているからです。

要点:売るためではなく、解決するための提案をします。だから時には「買わないで」と言います。

私たちは「給湯器屋」ではありません。「生活案内所」という生き方

ここまでお話しした通り、私たちのやり方は業界の常識からは少し外れているかもしれません。

効率を考えれば、順番調整なんてしない方がいい。
リスクを考えれば、未完成の工事なんてしない方がいい。
売上を考えれば、使える給湯器も交換させた方がいい。

でも、私たちは「生活案内所」です。
給湯器というモノを通して、あなたの生活の「困った」を取り除き、「安心」を届けることが仕事です。
だから、もし他社で断られたり、マニュアル通りの冷たい対応をされたなら、一度私たちに電話をかけてみてください。

「ずっと譲り続けてもいいよ」と言ってくれる優しい常連様や、リスクを取ってでもお湯を出そうと走り回るスタッフが、あなたのSOSを受け止めます。

お問い合わせ(24時間365日)

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参考情報

よくあるご質問

Q: 本当に予約がいっぱいの時でも、工事してもらえるのですか?
A: 100%お約束はできませんが、予約済みのお客様に交渉して順番を譲っていただく調整を行います。緊急度の高いお客様を優先する独自のシステムです。
Q: 部材が足りないのにどうやってお湯を出すのですか?
A: 「緊急出湯モード」などを活用し、リモコンや追い焚き機能がなくても、給湯(シャワー)だけ使える状態に仮工事を行います。完全な工事は後日行います。
Q: 10年保証は入らなくていいのですか?
A: 機種によります。暖房機能付きなどの複雑な機種は加入をお勧めしますが、単機能の給湯器は故障率が低いため、費用対効果が低いとお伝えしています。

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